領域概要

 拡大し続ける情報通信・情報処理への対応と高度化する今後の知的情報社会の持続的発展のため、新たな形で物理過程を活用するコンピューティング原理と技術の創出が期待され、その重要な一角に、光を用いたコンピューティング研究がある。本研究領域では、光とフォトニクスの「極限性能を生かす」を研究領域全体の基本概念とし、光の様々な特徴―伝搬高速性・低損失性・広帯域性・多重性・実世界接触能等―を追求し、光科学技術と情報科学技術を高度に融合したフォトニックコンピューティングを創出する。それに向け、本研究領域は三つの研究柱を設定し、その⽬標や内容を下記のように設定している。

研究柱A(計画研究A01, A02)『光の極限性能を引き出すシステム構造』:
光のコンピューティングへの利活⽤の障壁となっている構造的限界(Architectural limit)に焦点を当て、光本来の性能の発現させるシステムアーキテクチャを研究する。具体的には、光の⾼速性や多重性を最⼤に引き出すフォトニック近似コンピューティング、光と電⼦系の最適結合を実現するタスク分解などがある。

研究柱B(計画研究B01, B02, B03)『光の極限性能に基づくコンピューティングメカニズム』:
光の時空間多重性、多値表現能⼒など光の限界性能(Physical limit)を活⽤するコンピューティングメカニズムを開拓する。具体的には、光リザーバーコンピューティング、極限的光変調のコンピューティングへの展開、光意思決定などの⾼次光機能の創出などがある。

研究柱C(計画研究C01, C02)『光の極限性能を引き出す新たなデバイス基盤』:
光の未開の潜在性(Potential)を引き出すための重要課題に焦点を当てたデバイス基盤の⾰新に取り組む。具体的には、光の多重性をコンピューティングに活⽤する集積光デバイス、光と電⼦系とのボトルネック解消に向けた超⾼周波エレクトロニクスとフォトニクスの融合などがある。

 いずれの研究も応⽤への橋渡し研究を視野に⼊れるとともに、関連の研究項⽬との連動を強く推進し、先駆性・独⾃性・多様性ある領域研究を実現しながら、研究領域全体として「光の極限性能を⽣かす」という基軸により⼀体性を実現し、本邦における光科学と情報科学・コンピューティングの学際領域の確⽴を⽬指す。